大避神社の宮司さんとの雅楽トーク

 瀬戸内海三大船祭りの1つ「坂越の船祭り」(重要無形民俗文化財)で知られる赤穂市坂越(さこし)の大避神社(おおさけじんじゃ)の生浪島宮司さんと、雅楽トークに花咲きました。
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去年、坂越地方で行われた昔の花嫁行列を再現するイベント「坂越の嫁入り」にて、赤穂雅楽同好会がみちがくをしました。
道端の竹灯籠に明かりを灯し、仲人さんが提灯を持って擬似嫁入りをしたのが、アマチュアカメラマンの撮影会も兼ねての企画に神戸新聞などのメディアにも取り上げられ好評でした。
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今年は、実際に結婚式を挙げられる方を募集し3月29日(日)大避神社にて本物の結婚式を挙げて後、浦会所まで行列する企画で、私どもが今年も奏楽することとなりました。
この神社で結婚式を挙げるのは何十年ぶりだろうかと宮司さんはおっしゃっていました。

雅楽の祖である秦河勝(ハタノカワカツ)を祀っている神社だけあって、宮司さんも雅楽には詳しく昔は笙を吹いておられたそうです。
大避神社には宮内庁の元楽長の岡正雄先生や東儀俊美先生をはじめ、天王寺楽所、南都楽所、雅楽道友会、天理大学雅楽部など雅楽関係者も多く来られ、東儀秀樹さんも20人くらい連れて来られたと聞きました。
東儀俊美先生がここで「人長舞」を舞った時の話や、この曲を舞ったら死んでしまうといういわれのある舞(宮内庁では舞われないそうです)を舞われてのち、伝説通りにまもなく亡くなられ、その東儀先生の追悼演奏を聞きに行かれた宮司さんは、「宮内庁の楽師がうたわれた朗詠が、なんとも言えないくらい心に染みた、さすがプロだ」と色々雅楽の話に盛り上がりました。

この神社の社宝に「蘭陵王」の古い面があるそうです。「河勝公が自ら彫ったか、聖徳太子から賜ったもので、1300年前の日本最古の面」と言い伝えられてきたそうです。

宮司さんが、秋祭りに奏楽するんだったら連絡をくれるようにと言ってくださいました。
(すごく出たいがこちらに技量がないのです。いっそ上手な人を頼もうか?とも思いました。)

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「坂越の船祭り」では海岸にかがり火を焚きながら、何艘もの船が生島まで船渡御をします。
楽船と呼ばれる唯一屋形のある船で奏楽しながら海を渡る様は幻想的でもあります。

宮出しでは陵王乱声、この場面では林歌、ここでは抜頭を、楽船の中では何を吹いても構わないが、宮入りでは千秋楽と、演奏する曲が昔から決まっているらしいのです。

とても全部暗譜は出来ませんが、宮司さんは「そんな難しい曲できなくてもいいヨ」と言ってくださいました。
去年船祭を見に来たけれど楽船は出ていませんでした。雅楽の神様のお祭りなのにちと寂しいじゃない?と思いました。

よし!いっちょやるか。と又その気になってしまいました。