新米里親、奮闘す!

さてさて、12月29日。
里子ちゃん預かり2日目、元気いっぱいのよっちゃんとみちるを連れて海に行く。
公園から海岸に降りる坂道を何度も転げながらよっちゃんは走って降りる。
海に石を投げるのが気に入ったのか、3人でしばらく石投げをしてうちに帰ると、疲れたのかよっちゃんはコタツで寝てしまった。
普段保育所ではお昼寝をしていないそうだが、目が覚めて突然泣きだした。

「ここは何処なんだろう。なぜ僕はここにいるんだろう。いつもの先生たちは?パパやママは?」
「よっちゃん。どうしたん?」
「・・・・」
涙の理由はわからない。次女のひかるがもらい泣き。

30日、今日は餅つきとお正月のお買い物。
よっちゃんを買い物に連れてゆく。買い物となったら元気者のよっちゃんは「おせちや!おせちや!」と大はしゃぎ。
店内に響き渡る声で「ハムも買ってな。チーズも僕好きやから。ヨーグルトは買わないの?」
「よっちゃん。もうちょっと静かに!」
ママと買い物に行った記憶が蘇るのだろうか・・・・

家内と食事の事で意見が食い違い、ちょっと口調が荒くなる。
里子をあずかる時「子供の前では夫婦げんかはしないと」決めたのに・・・
喧嘩ではないにしろ、よっちゃんは僕達の会話に敏感だ。

急によっちゃんも言葉が荒くなる。
「お母さん」と呼んでいたのが「おばさん」そして「おばあさん」と変わってくる。
こちらの注意に間髪入れずに言い返してくる。
(このちびっ子は頭の回転がすこぶる早くて切り返しが見事!)
そして僕の顔をくちゃくちゃにする。
「やめて!」「やめろや」
オオム返しにおちょくってくる。

子供は大人より七倍敏感だと聞いたことがある。
僕達夫婦が機嫌よく仲良くすることが本当に大事な事だと教えられる。

もし自分がよっちゃんだったら・・・

まったく知らない大人が突然現れて、僕を連れてゆく。
何処へ連れて行くのかのわからない。僕の知らないところへ・・・
いったいどんなとこだろう。
そこにいつまでいなきゃならないんだろうか?

園の先生から聞かされてはいるけれど、4歳の子にどこまで理解できているのか。
果たしてこのお父さんとお母さんは僕をどこまでかわいがってくれるんだろうか?
これってあたりまえの感情だと思う。

里親研修などで、「試し行動」がでると勉強したし、体験者からも聞いた事がある。
自分を受け入れてもらう為に、里親たちを試す行為。
どこまで自分の我がままが許されるのか?と

これがそうなのか?と思った。

(つづく)