初体験!里子のあずかり

28日、ワクワク、ドキドキしながら施設へ里子ちゃんを迎えに行く。
なんせ初体験だ。

事前に手紙で連絡があった。
「名前は大石吉雄ちゃ(仮名でよっちゃんと呼びます。) 男 4歳
性格は甘えん坊で好奇心旺盛、お絵描きや体を動かす遊びが大好き。
夜尿と、腕や顔に貨幣湿疹があるので、薬を塗ってあげるよう注意して下さい。又児童は特別扱いしないで家族同様寝食を共にして下さい。」と書かれてあった。

年が近い3女みちる(小学3年)を同伴した方が大人二人で行くよりもいいかと思い、連れて行くことにした。

どんな子がうちに来るのだろう?期待いっぱいで施設に向かう。

施設の方から説明を受ける。
「1年前にお兄ちゃんと一緒にこの施設に来て、夏は里親さんのところへお兄ちゃんと二人で行ったので心配なかったが、今回はお兄ちゃんは別の里親さんのところへ昨日行って、今回は一人なのでちょっと心配です。」  と。
親御さんとは連絡が取れませんでした。との説明でしたが、深く事情を聞くことも出来ないので、あとは想像の世界。

いよいよご対面!

目が大きくてまつげの長い可愛い子。
最初は人見知りをして、恥ずかしそうにしていました。

「食べ物で嫌いなものはある?」
「……」
「好きな食べ物は?」
「……」
「ハンバーグ?唐揚げは好き?」
「うん!」

車中でもしばらく無言が続いたが、山陽本線を走る電車と新幹線を見た途端、
「あっ!電車や」と一声。

それをキッカケに色いろと話をしてくれて、お昼時間になったので、家まではしばらく時間がかかるのと、施設では外食もなかなか出来ないだろうと思いマックで昼食を取ることにした。

子供はマックが好きだ。
「僕、ハッピーセットがいい」と娘と意気投合して大喜び。
店内に入ると「ああ、ハッピーセットの匂いがする」と言って大笑い。

家に着くまで僕はよっちゃんに「おじちゃんはね」とか「おばちゃんは」とか、自分達の事を言っていたら、よっちゃんは僕と家内のことを「お父さん」「お母さん」と呼ぶのです。
最初は実父・実母の事を思い出してそう言ったのかと思っていたら、普通に「お父さん」「お母さん」と呼んでくれる。
もう嬉しくなってきて、それから「お父さんが呼んでるよ」とか「お母さん薬塗ってあげて」とそれで通すことにした。
施設の職員からそう呼ぶように言われたんだろうか?(確かめてみたい)

家に着く前にスーパーに買物に行く。
もう、すっかりよっちゃんは僕達の子供になったように、あれもこれも品物をカゴに入れたり、「このお菓子はお兄ちゃんに、これは施設のお友達に」と大きな声で、主張する。

気に入ったおもちゃとチョコレートをねだられたので、甘いと思いつつも買ってあげる。
家に着き、さっそく娘とハッピーセットのおもちゃと、スーパーで買ったおもちゃで遊ぶ。何でもよく食べるし、男の子らしく元気いっぱい。

もう、何でも良くしゃべるし仕草が可愛い。
よっちゃんで良かった。

お風呂には僕と一緒に入る。
詰め替えシャンプーをボトルに入れるため浴槽から身を乗り出していると、頼んでもいないのによっちゃんが僕の肩が寒いだろうと、お湯を何度も掛けてくれた。
優しいしところがある4歳児はいじらしい。(どんな事情があるにしろ親と一緒に暮らせない不憫さも思う)

長女も次女もよっちゃんが可愛くて仕方がなくよく面倒うをみてくれる(母性本能なんだろう。)

甘えさせて、暴飲暴食させた為か、夜中にやはりオネショして、下着が濡れた。

初日は僕は神経を使って大変だった。僕は夜中に目が覚めてなかなか寝つけなかった。
よっちゃんの寝顔をじっと見てると、目が冴えてずっと見ていた。

里親の初夜でした。