春だったね

高校生活は、寮での生活だった。
一年生の時1973年。
時代はフォークミュージックブームで、あちらこちらの部屋からフォークギターの音がしていた。
 
戦争を知らない子供たちなど、反戦歌もブームだった。
 
部屋の隅で村田くんが一人歌詞カードを見ながら歌ってる。
 
♫僕が思い出になる頃に、君を思い出にできない そんな僕の手紙が着く~♪
 
なんとも字あまりな曲だ。
1音符にちゃんと歌詞の文字が一つでない。
 
「村田くん、それなんていう曲?」
 
「うん、たくろうの春だったねって言うんだ」
 
あーあれは春だったね♪
 
なんとも変な曲だし、歌詞も変わっていると思ったのが、吉田拓郎の曲との出会いだった。
 
吉田拓郎はライブ’73のアルバムを出した年だった。